4章 就農に向けて はじめの一歩

小さく就農

投稿日:2018年9月12日 更新日:


 

あなたの強みは?

風来は自他共に認める日本一小さい農家。

耕作面積30アール、通常の野菜農家さんで最低3ヘクタール、(100アールで1ヘクタール)大体5~10ヘクタールですので面積的には常識の1/20ぐらいです。
(ちなみに日本で農家と名乗るには認定農業者にならなければならないのですが、その最低基準が30アールですのでまさに自他共に認めるです(^_^) )

無理に広げないようにしているつもりはありませんが、ある意味日本の農業へのアンチテーゼになればという想いも少しあります。でもまあ何といっても経営的にベストの大きさだからというのが一番の理由です。

ミニマム主義だから初期投資も少なく、気負いなく出来たのも今となっては大きいと思います。

ただ今も経営的にうまくいっているのは、バーテンやホテルの支配人の経験が武器になっているのは確かです。そして母親が漬物作りの名人で、私自身食べることが大好きだというのも大きいです。

そこで最近は就農の相談に来る人には「あなたの武器は何ですか?」と聞くことにしています。

昨日も書きましたが、農地も機械も技術を持っている既存の農家さんですら経営的に大変という農業。そこに参入するには今の農家さんが持っていないものが必要です。

今は無農薬だからと言って売れる時代でもなくなってきています。

日本の農業の構造に問題があるのも確か、でも既存の農家さんがサボっているかというとそんなことはなくて皆真面目に取り組んでますし、農協さんがすべて悪いかというとそういうことでもないと思います。

独立農家がやっていける条件

私は農家としてやっていく条件として「農地」「技術」「資金」「販売能力」の4つがあり、その中でも2つ頭抜けていればいけると思っています。

広大な農地があって、技術があればやれるでしょうし、資金と技術があれば色々な展開も出来ます。また資金の中には当分収入がなくても生活していけるということも含まれています。

新規参入する人にとっての武器となりやすいのが「販売能力」でしょう。でも漠然と今の日本の農業・流通につけ入る隙があると思ってはいけません。具体的にどのようなことが自分なら出来るのか。そしてどのような農業をしていきたいか。自身を掘り下げていくこととても大切だと思います。

環境の時代

ひと世代上の有機農業者の先輩に聞いた話です。もう随分前ですが、農作業していると母子連れが来て「〇〇ちゃん、勉強しないとこうなっちゃうからね」と指で指されたそうです(`_´)

しかし時代が変ってここ数年、農に対するイメージがかなり変わってきました。これには環境というファクターも大きいと感じています。そしてそんなことからも農の仕事に就きたいという人が増えてきました。

ただひと言で農の仕事に就きたいといっても色々なパターンがあります。他の仕事がないから収入を得るひとつの手段として農を選ぶ。独立農家になる。そして今だと農業法人で働くという手もあります。

また農家として独立すると言っても販売(コミにケーション)を主体にする方法、職人的に技術を追求する方法など様々。どれが正解という訳ではなくそれぞれ人に合った農のスタイルがあります。

最近相談に来る人で多いのが会社の人間関係に疲れたという人や精神的に疲れているという人。

そういう人が土を触るのは本当にお奨めします。ストレスフルな社会だからこそ土に放電する必要がありますし、農はそれを受け止めてくれる度量があります。まさにアース(地球)にアース(放電)する・・ですね(^_^ゞ

ただそういった人が農に携わる仕事をするのはいいと思うのですが、一気に農業経営となると話は別です。気持ちは分かりますが、独立農家になるということは地域への順応ひとつとっても慣れない人にとっては大変なストレスになります。農に逃げ場を求める消極的姿勢では独立は難しいと思います。

これからは「農」と「農業」は分けて考えていくことがとても大切だと思います。

農と農業

まず土を触る。農が自分に合っているか確かめて、それから時間をかけて仕事に結び付けていく。イメージだけ先行させるのではなく実際に土に触れることで気付くこと沢山あります。

先に書きましたが「農」はとても度量が広く、色々なものを受け止める力があります。これからは農業=農産物を育てる・売るというのを越えていければ可能性は無限にあります。

「農+加工」「農+販売」は今もありますが、これからは「農+セラピー」「農+教育」もいいと思います。

それぞれの「農+〇〇」を深く考える。既存の農業イメージに囚われない。そのためには自分の持っている武器とどういった農をしたいかを深く深く考えていく必要があります。

-4章 就農に向けて はじめの一歩


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風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

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