4章 就農に向けて はじめの一歩

視察後に伸びる人

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産地でないからこそ

風来には特に秋から春にかけて多くの視察・講演依頼をいただいています。

以前は加賀温泉郷がメインの目的でついでに視察という感じでしたが、最近の傾向として遠方から農家数軒を視察して、また風来だけに来て、日帰りという強行軍もあり、勉強メインで真剣度が増しているように感じます。

それだけ危機感が増しているからでしょうか。

石川県は、農業耕地面積が全国都道府県の下から5番目・・大都市ではない地方としては一番小さいくらいかもしれません。これ知った時は意外でした。

にもかかわらず、石川県は農業賞の最高峰である天皇杯をとった農家の方が北海道(もちろん耕地面積日本一)に次いで多いという、規格外の農家もそろっています。通称宇宙人農家が沢山います。

その背景には、石川県は米以外、どの農産物も大産地ではなかったといこと、また県としてのブランドイメージが弱いというのがあったかと思います。

そのために市場に出荷しても石川ブランドとしては高値がつかなかった。普通は逆境なのですが、それをバネにそれぞれの農家が独自で直売ルートを持ち、また個性あふれる農業でないと生きていけなかった、ということにつながっていきました。

自信がつく視察

風来の視察では、そんな天皇杯をとった農業法人の後というパターンも多くあります。

石川県の耕地面積は小さいのですが、1つひとつの農業法人では大面積でやっていて、中には400ヘクタール(日本の一戸あたりの平均耕地面積は2.27ヘクタール)という農家さんも。

ただ、視察に来られる方は、新規就農者の方や、家族経営の農家の方も少なくありません。

そういった方が大規模農家を見ると、「こんなに大規模には出来ない」と、思う方も・・。

大規模農家さんのあとで風来に視察にこられるということも少なくないので、そういった時は、「うちは、今見てこられたところの1000分の1でやっていますので、安心してください」(「日本一小さい専業農家」風来は、通常農家の10分の1、耕地面積30アール=0.3ヘクタール)と・・

実際視察後には、「(これでできるなら)なんだか自信が持てました」「自分にもできそうです」 といった言葉も多々いただきます。

まさに、視察としては正しいのかな?と思っていたりします。(笑)

こういった団体視察とともに、本を出してから多くいただくのが個人視察

特に「脱サラ農業」を目指す人から「小さい農業」は注目されているよう実感します。

視察前と視察後

この時代に農業を目指す人は、今の日本社会に対しても人一倍想いが強い方が多く、すごく熱い方もたくさんいます。

ただ、視察の申込メールは、視察前はとても熱いのですが、視察後にまったく連絡がない方も多いことです。

私は視察、講演はご縁のはじまりだと思っています。

また農業は、いろいろなご縁でつながっているところもあるので、本気で農家を目指すなら、視察後がとても大事。

今はフェイスブックなどのSNSもありますので、視察先の方とつながって、ネットワークを広げることもできます。

視察にこられた方で実際に起農している人の多くは、視察後にお礼のメールをいただいた方の率が圧倒的に多いようです。

サービス業出身の私としては、起農時にも当たり前に名刺をつくったのですが、農家の方の中には名刺自体を持っていない方も多く、それも、もったいないと感じています。

今は簡単に名刺をつくれます。もしまだ起農していなくても、名前や連絡先だけでもいいので用意しておくと、つながりを広げるきっかけになりますし、逆に名刺を持っていないと、つながりを深めたくないのかなと思ってしまいます。

ご縁のはじまり

またなんといっても記憶に残るのは、視察後にお手紙をいただいく方。お手紙までくれる方は、その後も長くつながりますね。Facebookでも顔と名前一致しやすくなりますしね。

そういった経験から私も他のところに視察に行った際には、後日手紙を書くようにしています。便利な今の時代だからこそ手紙をいただくと心に残りますよね。

視察は、直接的にいうと技術ややり方を盗むことなのかもしれませんが、本来の目的は、売上アップや、農業経営をうまくやっていき、家族や従業員のみんなが幸せになることではないでしょうか。

技術はその目的を達成する手段でしかありません。

視察をその場限りと考えるか、ご縁の始まりだと思うかで、その後の姿勢が大きく変わってきます。どんなビジネスであっても最後は人と人ですから。

 

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風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

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