4章 就農に向けて はじめの一歩

就農に向けてのはじめの一歩②

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専業にこだわらない

農家を目指す

逆説的ですが、ゼロからスタートする場合、最初から農業の専業にこだわらないというのも必要です。やるからには一本に絞りたいという気持ちも分かりますが、焦りは禁物。(男性はこの傾向がありがち)

何せ就農平均年齢が65歳の世界、急がなくても大丈夫。生活の糧を持ちながら、目標に向かっていく。そうしながら将来の売り先など見つけていくことも大切です。例えば新聞配達でもやりようによってはビラを配ったりと将来の顧客作りにつなげることが出来ます。

今は各地域に直売所もあり、農産物を販売するのに随分敷居が低くなりました。それでもミニマム主義では直売がとても大切になってきます。自身の販売チャンネルを持つことは色々な可能性に繋がるからです。

売り方も、売る物も大きく分けて3つあるとバランスがとれていいというのが実感です。例えば我が風来の場合は販売先としては直売(ネット・店舗)、卸し(主に漬物)、そして近所の直売所とあり、販売品目は主に野菜セット、加工品、仕入れ販売(仲間などから)がある。多様化することによって時間的にもバランスがとれますし、またリスクの分散にもなります。

絶対差を身につける

就農の動機は人それぞれですし、育てたいものも人それぞれ。それでも新規就農希望者に奨めているのが「今日からでもブログ(ネット上の日記のようなもの)を書いた方がいいよ」ということ。

日本最大級のインターネットのショップモールでどらやきを一番売っているお店は新商品のプロセスを公開することでとても人気を集めています。

プロセス、過程を見せるという点では農家に勝るものはありません。どんなにいいものを育てたとしても 急に信用を得ることは出来ません。どんな想いで農家になりたいのか、就農するまでの過程も書いて情報を発信する。

ちなみに私は2000年からほぼ毎日、日記を書いてHPにて公開しています。お客さんからは「これは3月1日に種を蒔いた白菜ですね。」なんて言葉をいただくこともしばしば。野菜を食べながら育っていく過程も想像していただいているのではないかと思っています。人柄ごと販売する。それに勝るものは無いと思います。

そしてこの日記を書くということをもしあなたが今日から始めたとしても私が休まない限り追いつかれることはありません、これが絶対差です。

値段や量で勝負するのが比較差、こちらも大切ですが、絶対差を持つことは自信にもつながります。

独立する前に

あと本格的に独立する前にやった方がいいのが加工技術を身につけるということ。いざ独立して農作業に追われるようになったらまとまった時間はなかなかとれません。農産物が潤沢に採れるようになってからでは遅いのです。

以前、とあるTV番組で一般視聴者にジャグリングなどの宿題を与えて1週間後にテストして成功したら賞金が出るというものがありました。それを見ていて、人は集中すると何でも出来るようになるんだと思いました。

極端に言えばどんなものでもいいんです。例えばキムチだったら1週間、毎日休まずに1日3回、毎回工夫して漬けて、一日中キムチのことを考えたとしたら売り物になるくらいのものは出来ます。

そして自分なりの基準の作り方が出来たところで作り続ける。そうすることによってこちらも絶対差につながっていきます。農に不作はつきもの。そんな時に加工技術があればどれだけ助かるか。まさに芸は身を助けるです。

農業は職業のひとつですが、生き方と一致させると幸せに一番近い産業ではないかと思っています。一生涯やれるのが農業です。だからこそあせらずに準備をシッカリして、想いを掘り下げていくことが大切になってきます。

小さい農業のはじめ方(自著になります)

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風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

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