4章 就農に向けて はじめの一歩

農と農業

投稿日:2018年9月13日 更新日:

趣味とプロ

好きなことを仕事にする。嬉しいことですが、これはこれで大変ですよね。料理なんかそうですが、趣味の料理なら好きな材料を使うだけ使えます。でもプロとなると採算のことも考えなければならないし、その値段と見合うものとなると本当に好きなことが出来ないかもしれません。

それでも金銭のやりとりがあることで真剣勝負にもなりますし、だからこそ喜びの声をいただいた時の感動もひとしお。

ともあれホント楽な仕事ってありませよね。でも好きなことを仕事として続けるのは大変ですが、好きでないことを仕事にするのはもっと辛いですよね。

最近、新規就農相談でうちに来る人で感じるのはこの人は「農」が好きなのだろうか?ということ。

特に農業界を変えてやる!!というような人に多いのですが、相談に来た子に「どんな野菜が育てたいの?」と聞くと「特にありません」という答え。「ちなみに農産物を育てたことがある?」と聞くと「育てたことはありません」と平然と答えられます。

もちろん経験ない人が農家になれない訳ではありません。私も農家になろうと思った時は全くの素人からでしたので研修からスタートしました。

ただ独立して農家になろうと決めて、先輩農家さんに話を聞きに行く時には色々な野菜を実際に育ててから行きました。そうでないと失礼だと思ったからです。

他の例に置き換えると、街のパン屋さんに「私、貴店のようなパン屋になりたいんです。でもパンを作ったことはありません」と言うようなもの。

パン屋になりたいと思ったら自分でパンを作ってみるように、農家に本気でなりたいと思ったら小さくてもいいから菜園を実践するのが最初ではないでしょうか?

農が好きなのではなくそこに自分が入る「隙」がある、だから選らんだ。そんなように見える人もいます。

農家になる前提として土を触るのが好きであって欲しい。そしてそれが長続きする秘訣だと思います。(^_^)

 

就農ブーム?

ここ最近、就農ブームと言われつつも全体的な就農人口は減ってますし、またそれに反比例して農家の高年齢化がどんどん進んでいます。そんな訳で日本の農業政策で力を入れているのが就農人口の増加。

新規就農希望者に対する補助制度も国・県・市町村単位で色々あります。(私は利用したことありませんが・・)

農地の流動化、既得権益打破など優先順位が違うのでは?と思うところもありますが新規就農希望者には手厚い制度があることも確か。

だからでしょうか、新規就農の相談に来る人には「農家になってやるんだ」的な人もいます。

農業人口の減少、高齢化問題には私ももちろん心痛めますが、イチ農家にそれを求めるのはどうなのかなと思います。

でも突然やってきたそんな人にも作業の時間を割いて話をしてあげる農家さんが多くいます。ホント農家さんってやさしいな~と他産業から参入してきたものとしてしみじみと思います。

 

生活と仕事と

農業に興味を持ってもらえるのは本当に嬉しいことだと思いますが、まずは人として礼儀をわきまえて欲しいです。人として最低限出来ていなければ独立農家は務まりません。農家だからこれでいいなんてことはありませんし、逆にキチンとしていなければその地域とはうまくやっていくことは出来ません。職場である農地はその地域がイヤだからと言って動かすことは出来ないのでなおさらです。

まあ私自身、就農したてのころの態度は今思うと赤面ものですし、周りの人達がホント寛大だったな~と思うので人のことは言えませんが(^_^ゞ

さてこれまで就農について色々と厳しいことも書いてきました。農で食べていくというのはそれだけの覚悟を持って欲しいと思います。

ただ私自身、農家になって農から得られる安心感は他にはないと感じてますし、出来るだけ多くの人に「農」のよさを広めたいし、農を生活に絡めてもらいたいと思ってます。

私にとって農は仕事であり生き方でもあります。そして生活と一致した農はそのよさが何倍にもなります。

農を単なる仕事ではなく、農という生き方を目指すのであれば焦る必要はありません。「農家」「農業」という言葉に縛られずに自分の強みを活かしたそれぞれの農を選んでもらえればと思います。

-4章 就農に向けて はじめの一歩


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風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

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