智恵の教室

これからのお年寄りとこれまでのお年寄り

投稿日:2018年10月1日 更新日:

この5月に父親主催で法事がありました。曾祖母の39回忌。祖母は私が生まれる前に亡くなったのですが、共働きの両親に代わり曾祖母には大変世話になりました。

おやつ代わりにもらっていた塩むすびの味は今も忘れられません。それにしても39回忌ってすごいことですよね。自分の39回忌はないだろうな~と正直思います

今と比べて、少し前のお年寄りはもっともっと敬意をもたれていたように思います。まあ今はお年寄りといっても70歳ではお年寄りと言えないくらい元気な方が多いですが・・

ただ、これまでのお年寄りとこれからのお年寄りには明確な違いが出てくることは間違いありません。

その違いは漬物と聞いて「作る」ものと思うか、「買う」ものと思うかの違い。これからのお年寄りの多くは「生まれてこの方、漬物は買ってくるもの」ということを体現されてきた世代になってきます。

そんな方々があと10年経って75歳になったからといって急に漬物を作れるようになるとは思いません。

これらは一例ですが、これまでのお年寄りとこれからのお年寄りの最大の差は知恵を持っているかどうかということ。

39回忌を迎えたのは一緒に住んでいたふさばあちゃん(曾ばあちゃん)。亡くなったのは94歳、私が高校3年の時でした。

ふさばあちゃんは最後まで寝たきりになることもなく、時間があると掃除や草むしり、漬物など作ってました。

またよくご飯をのり(糊)代わりに使ってました。その頃スーパーは今のようにポイントカード制ではなく、スタンプをくれてそれを所定のシートに張っていきます。そのスタンプを張るのにご飯を・・のりがなかったわけではなかったのですが・・。でもそのおかげで今も何かあったらご飯をのり代わりに使えるんだな~と思ったりもしています。

風来の漬物は基本的に母から教わりました。母は自分の母親から漬物をはじめ色々なことを教わり、そして一緒に住んだふさばあちゃんからも伝えられました。そして地域の方から教わり、それを自分流にアレンジして自分の知恵としていきました。

そういった意味で母は先人のそして地域の知恵の結晶と言えます。

今、風来では漬物担当は妻の役目となってます。お客様に鍛えられつつ少しづつ自分の味にしていきました。

もし風来をしてなかったらお袋さんの知恵は断絶していたと思います。

知恵を伝えられ知恵を伝えていく。それが親として子に伝える最高の財産なのかもしれません。

また以前、(今もですが・・)国家破産を心配していた時があります。

妄想ではありますがもし経済破綻した場合、衣・食・住・エネルギーの多くを海外に頼っている日本はどうなるのか・・と本気で心配しました。

その時に思ったのが「もし破綻するのであれば知恵を持っている世代(戦中・戦後直後を生きてきた人)電気・ガス・水道などインフラが乏しい時に生きていた人が多く残っている時ならまだなんとかなるのではないか」ということ。

グローバル化、機械化、均一化が進めば進むほど個人の生きる力が乏しくなってきています。

そしてこれからの農家の使命はそういった知恵を受け継ぎ伝承していくことではないかと思っています。

-智恵の教室


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風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

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