農の未来

ビジネスモデルを考える2

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自給率をあげるには? と漠然と質問すると、近くのスーパーで地元のものを選ぶ・・とか、いいことではあるけど、漠然とした答えしか返ってきません。

具体的に考える・・そのために有効なのがお金の流れ・・つまりビジネスとして成り立つかどうか考えてみる

以前、そんなワークショップを講演先でしてみたら色々な答えがポンポン出てきました。

観葉植物の代わりに観葉野菜や観葉果物の樹をオフィスに配達し管理する仕事。(自然と食を感じてもらう)また軽トラの荷台に土を入れ、そこで野菜を育てて、移動菜園にしてそれを教材にあちこちの学校を回る(食育授業)などなど

秀逸だったのはとあるスーパー経営者の方の案です。どんな案かといいますと、まず経営しているスーパーの掲示板に「余っている畑貸してくれませんか?」と張り紙をします。次にその放棄田を畑をある程度整備した上で、「家庭菜園やりませんか?」と張り紙をする。そしてその菜園で採れたものをそのスーパーのインショップで直売してもらう、というもの。

この案の素晴らしいところは

①放棄田の地主さんもその土地をなんとかしたいと思っている。しかし、先祖伝来の土地ということで信用がない人には貸したくない。地域のスーパーさんが面倒をみてくれるというのであれば安心である。

②家庭菜園をやりたい人はいるが気軽に畑を借りることが出来ないのであきらめている、(あと技術的に不安)

③家庭菜園にとって困るのは余った野菜。捨てるのもしのびないし・・そんな野菜を売れるのであれば、やりがいも出てくる。

④スーパーにとっては地域の新鮮野菜は売りになる。お客さんにとっても嬉しいし、また野菜を出してくれる人はそのスーパーの常連さんにもなってくれる。

このプランがうまくいけば地域自給は上がりますし輸送コストがかからないということで、環境にもやさしい取り組みになります。こういったことがほぼコストがかからず出来ます。もちろん不備もあるでしょうが、こういったサイクルの中にアドバイザーとして地域の農家さんが入ってきたりすると結構うまくいくのではないかと思わせてくれました。

実はこれからのアイディアは5人ひと組で5分という短い時間で出てきたものです。先述しましたが、漠然と「自給率を上げる方法を考えましょう」という問いではこういった案はいくら時間をかけても出てこなかったと思います。

あと自分のところだけの売上を上げようと考えるとすぐに行き詰りますが、皆のため、世の中のためと考えると無限のアイディアが出てきます。そういった点でも、志に直結する農業はアイディアの宝庫ではないでしょうか。

その時のワークショップの後、そのスーパーの経営者さん「本当にやろうかな~」とおっしゃってました。そう、どんなにいいアイディアが出てきたとしても実際に行動しないと現実は変わりません。「アイディアの賞味期限は短い」という言葉があります。

思いついた時は「とても素敵だ!」と思っても1日、2日と時間が経つうちに「こんなアイディアなら誰でも出せるよな」とか「初期費用かかるかも・・」「実際賛同してくれる人少ないかも・・」とどんどん色あせて思えてきて動かない。そうこうしているうちに実際に同じようなアイディアで成功した人が出てきて後悔する。そんなことってこれまでありませんでしたか。人は本来保守的なもの。1から10にするのは出来ても0から1にするには勇気がいります。

そんな時こそミニマム主義。最初から大きくやろうと思わなければその一歩は気軽に踏み出せます。小さくフットワーク軽くやれば無理だった時にやり直しが利きます。ビジネスプランではありませんが風来でも色々やって失敗してますが、ひょんなことから日の目をあびることもありました。(地元特産の生のユズとクエン酸、重曹をセットにした究極のユズ湯セットなるものを販売したのですが、個人には泣かず飛ばず、でもとある会社に目にとまり景品として採用してもらったことも・・(笑))

ビジネスプランというと大げさに考えてしまいますが、頭の体操と思ってワイワイ考えてみると楽しいものですし、社会にとっていいことを考えるのはとても気持ちいいものです。農政も上からの押し付けではなくこういったビジネスプランコンテストとかやればいいと思うのですがいかがでしょうか。

小さい農業のはじめ方(自著になります)

-農の未来


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風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

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