2章 スモールメリットをいかす

スモールメリットをいかす

投稿日:2018年10月7日 更新日:

スモールメリットとは?

スケールメリットなら聞いたことがあるけどスモールメリットなんて聞いたことはない・・なんて思われるかもしれませんが、それもそのはず、スモールメリットは私の造語になります。

 

スケールメリットを簡単に言うと「大量に物を仕入れる事により原価を抑え、また販売もまとめてすることにより経済的にメリットがある」ということでしょうか。しかしこれはいつでも、どのような状況でも同じものが出来るというのが前提となってます。

 

今の日本の農政も規模拡大路線。ある意味そこにスケールメリットがあるかのようですが、もしスケールメリットがあるとするならば規模が大きくなればなるほど値段を安く出来なければおかしいはずです。例えば100㌶規模の稲作農家が10㌶規模の稲作農家の米販売価格を半分にしてもペイ出来るでしょうか?

 

なぜ規模を拡大してもスケールメリットをそんなに得られないのか。そこにはもちろん農業の特性というのもありますが、日本ならでは事情もありそうです。それは大きく分けて農地、機械、そして人件費の問題があるのではないでしょうか。

 

日本の農業にスケールメリットはあるのか?

そもそも日本は大陸と比べると急坂といっていいくらい傾斜があります。そこを平にするというのは大変な労力が必要になります。特に水田となるとまさに水平にしなければなりません。つまりひとつの圃場を大きくするのは限界がありますし、コストもかかります。そしてどんなに大きくしても人手がかかるのが農業。また農業機械も大変高価なものです。他の産業では機械を大型化する時には生産性が上がり、より製品が多く出来るのが当たり前ですが、農業の場合はどんなに高速化しても収量自体が増えるわけではなく、田植え機やコンバインに至っては高速化すればするほど倉庫に眠っている時間が長くなります。農業機械の場合「この大変な仕事をこれぐらいで替わってもらえるならありがたい」というのが根底にあるよう思います。

 

とまあ、わざと大変なところを挙げてみたのですが、逆転の発想でみるとそこに大きなチャンス(スモールメリット)が生まれてきます。

 

我が風来は日本一小さい農家(30アール)と言ってますが、ある意味そうせざるをえなかったところもあります。というのも風来の畑があるところは湿田地帯。畑作をやるにはどうしても客土することが必要になり簡単に広げられないというところがありました。

小さいからこそアイディアが出てくる

でもそのおかげで限られた農地を有効活用しようと、色々なアイディアが生まれてきました。

にんにくとソラマメ、タマネギと絹サヤ、トマトと枝豆、キャベツとセロリなどの混植は当たり前。混植することで色々な種類の野菜を収穫出来るのはもちろんですが、おかげで病害虫の被害も抑えられますし、いざという時のリスクの分散になります。

収量を増やそうとするとついつい農地を増やそうと考えがちですが、農地を広げることはそれだけ時間をとられますし、肥料などのコストもその分かかります。

また畑が小さいと収穫出来る野菜は貴重。一個たりとも無駄には出来ません。そんなことから鍋セットや旬のぬか漬けセット、トマトソースなど様々な商品が生まれてきました。

現在、風来では廃棄する野菜もほとんどありません、それどころか秋キャベツなどは2回収穫して、キャベツの脇芽を販売して、さらに春先にはキャベツの芽も販売するしまつです(笑)

あと裏技として春先の畑準備シーズンにはブロッコリーを根と土のついたまま掘り出して、脇によけておきます。そんな状態でもブロッコリーは脇芽がどんどん出てきますし、一度断根したせいか少し時間差が出て、花が咲くのが通常より遅くなったりもします。

まあこういったことが出来るのも直売しているからなのですが、直接販売することでひとつひとつの野菜の単価が高くなるのはもちろん、説明出来ることで畑にあるものすべてのものの価値が大きく上がってます。(中にはペット用に無農薬の雑草やニンジンの葉など売って欲しいという人も・・)

面積が大きく目先の忙しさにとらわれてたらこういった発想はうまれていなかったかもしれません。(つづく)

 

小さい農業のはじめ方 はやく知りたい方はこちらをゲット(自著になります)

-2章 スモールメリットをいかす


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

スモールメリットをいかす②

スモールメリット色々 面積が小さく多品目ということで大きな機械がいらなくなりました。農家になりたてのころはトラクターも持っていたのですが、今はそれも手放しました。現在、風来にある動力付きの機械はネット …

管理人 源さん

詳しいプロフィールはこちら

風来(since2000年4月)は30aの畑と小さなハウス4棟という自他供に認める「日本一小さい専業農家」です。野菜は足音を聞いて育ちます。目の届く範囲だからこそこだわれることがあります。

自著に「小さい農業で稼ぐコツ」(農文協)、「農で1200万円!」(ダイヤモンド社)あり

お問い合わせ